2026年6月20日|ドローン国家資格について、制度の正確な解説と実務(費用・流れ・依頼先)を一次情報にあたって整理するメディア。
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無人航空機操縦士とは?費用・始め方・できることを徹底解説

田中 誠一 / 更新:2026-06-18
無人航空機操縦士とは?費用・始め方・できることを徹底解説
「ドローンの国家資格って、結局いくらかかって何ができるの?」——私が取材で一番よく聞かれる質問です。結論から言うと、無人航空機操縦士は2022年12月に始まった国家資格で、一等と二等の2区分があり、二等でも飛ばせる範囲はかなり広がります。

私自身、登録講習機関を修了して二等を取得しました。費用は機関ごとにバラバラで、安易にコースを選ぶと損をします。

この記事では、制度の中身・費用の相場・始め方・試験対策・取得後の仕事まで、自分で手続きした一次情報を交えて整理します。独学でいけるのか、補助金は使えるのかも触れます。

無人航空機操縦士とは?国家資格の基本をわかりやすく解説

【国家資格/不要論】ドローン国家資格を検討中の方に見て欲しい
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正式な制度名は「無人航空機操縦者技能証明」です。ドローンを飛ばすのに必要な知識と能力を持っていることを国が証明する仕組みで、2022年12月5日に施行されました。

無人航空機操縦士(国家資格)が生まれた背景と目的

きっかけは「レベル4飛行」、つまり有人地帯の上空を補助者なしで目視外飛行させる需要です。物流や点検でドローンを街の上で飛ばすには、操縦者の技能を国が担保する必要がありました。

それまでは民間スクールの資格が乱立していて、現場でも「この資格、どこまで通用するの?」という空気がありました。国家資格化は、その曖昧さに線を引いた制度だと私は受け止めています。

一等と二等の違いと位置づけ

技能証明は一等無人航空機操縦士と二等無人航空機操縦士の2区分です。一等はカテゴリーIII飛行、二等はカテゴリーII飛行に必要な技能に対応します。

一等と二等のざっくり比較
区分対応する飛行レベル4飛行
一等無人航空機操縦士カテゴリーIII飛行関係する(対象)
二等無人航空機操縦士カテゴリーII飛行対象外

正直、ほとんどの人にはまず二等で十分です。一等が要るのは、有人地帯上空の目視外飛行を業務でやる人に限られます。

民間資格(旧資格)との違いと移行・優遇措置

民間資格は国が直接認めたものではなく、飛行許可申請の際の参考実績という位置づけでした。国家資格は、登録講習機関の講習を修了すると指定試験機関の実地試験が免除されるなど、制度に正式に組み込まれている点が決定的に違います。

民間資格の保有者には講習の一部が短縮される「経験者」コースが用意されています。私も民間資格を持っていたので経験者扱いで進められました。とはいえ学科試験は全員受けるので、過信は禁物です。

一等・二等それぞれで実際にできること

資格を取ると何が変わるのか。ここが一番気になるところでしょう。ポイントは「飛行カテゴリー」という考え方です。

一等・二等それぞれで実際にできること

二等でできる飛行範囲と業務の例

二等はカテゴリーII飛行に対応します。人口集中地区での飛行や、夜間飛行、目視外飛行といった、これまで個別に許可・承認が必要だった飛行が対象です。

二等+機体認証があれば、一定の飛行で許可・承認の手続きが簡略化されます。測量や農薬散布、点検といった現場業務の多くは、実務上この二等でカバーできます。

一等でできるレベル4飛行とは

一等の最大の意味はレベル4飛行に関われることです。レベル4とは、有人地帯の上空を補助者なしで目視外飛行させること。市街地の上空を飛ばす物流などがこれにあたります。

逆に言えば、街の上を飛ばす予定がないなら一等は要りません。費用も難易度も跳ね上がるので、ここは目的をはっきりさせてから決めるべきです。

資格を取らなくても飛ばせるケースとの線引き

見落とされがちですが、資格がなくても飛ばせる場面はあります。人口集中地区でない場所で、日中、目視の範囲、人や物から30m以上を確保するなど、規制のかからない条件で飛ばすなら技能証明は必須ではありません。

私の本音を言うと、趣味で広い私有地を飛ばすだけなら無理に取らなくてもいい。資格が効いてくるのは、許可・承認が絡む業務利用です。ここを混同して高い費用を払う人を何人も見てきました。

資格取得にかかる費用の相場と内訳

費用は「全国一律」ではありません。指定試験機関の受験料はある程度決まっていますが、講習費は登録講習機関ごとに大きく差が出ます。ここを知らずに申し込むと数万円単位で損します。

資格取得にかかる費用の相場と内訳

受講料・試験料・登録料の内訳

費用は大きく分けて「講習機関に払う講習費」「指定試験機関に払う受験料」「技能証明の発行・登録にかかる費用」の3つです。受験や申請はドローン情報基盤システム(DIPS)を通じて行います。

一等・二等・初学者と経験者での費用差

公開されている講習費の例を挙げます。同じ二等でも、限定の有無や経験者かどうかで金額がまるで違います。

公開されている講習費の例(二等・税込)
いずれも各機関の公開表示の一例。金額は機関ごとに異なり、変動します。
コース内容講習費(例)
二等 基本コース363,000円〜
二等 基本(目視内・昼間・25kg未満に限定、実地試験免除)311,300円〜
二等(経験者向けなどの短縮例)118,800円〜
二等(経験者向けなどの短縮例)71,500円〜

見ての通り、初学者の基本コースと経験者の短縮コースでは20万円以上開くこともあります。民間資格を持っているなら、経験者コースの有無は必ず確認してください。ここが費用を抑える一番の分かれ目です。

補助金・助成金で費用を抑える方法

事業として取得する場合、人材育成系の助成金や、自治体の産業支援補助金の対象になることがあります。建設・農業分野では特に動きがあります。

ただし制度は年度と地域で変わるため、確実な金額をここに書くことはしません。私が勧めるのは、申し込む前に「自社の業種+資格名+補助金」で自治体の最新ページを確認すること。講習機関が代理申請に慣れているかも聞くといいです。

無人航空機操縦士の始め方と取得までの流れ

ドローン国家試験「二等実技試験をCGで完全解説!」国土交通省
ドローン国家試験「二等実技試験をCGで完全解説!」国土交通省

始め方は実はシンプルです。多くの人は登録講習機関ルートを選びます。私もこのルートでした。

登録講習機関で学ぶ場合の流れ

流れは、講習機関に申し込み→学科と実地の講習を受け、修了審査に合格→指定試験機関の学科試験を受験→身体検査→技能証明の申請、という順です。登録講習機関の講習を修了すると実地試験が免除されるのが大きな利点です。

実体験で言うと、実地が免除されるのは精神的にかなり楽でした。試験会場で一発勝負の実技をやるより、通い慣れた環境で修了審査を受けられる安心感は大きい。

独学での取得可否と学習時間の目安

結論、学科は独学でも通せます。学科試験は指定試験機関で受けるので、講習に通わずに学科だけ独学で挑むことは制度上できます。

問題は実地です。独学ルートだと指定試験機関で実地試験を受けることになり、これが難しい。私の周りでも、学科は通っても実地でつまずいた人がいます。費用を抑えたいなら学科は独学、実地は機関、という割り切りも現実的です。

受験資格・身体検査・年齢の要件

技能証明の取得には学科試験・実地試験・身体検査が関係します。身体検査では視力や色覚など、安全に操縦できる身体適性が確認されます。

年齢や細かい基準は申請時点の最新案内で必ず確認を。眼鏡やコンタクトでの矯正視力で問題になるケースは少ないですが、心配な人は事前に検査基準を見ておくと安心です。

試験の出題範囲と合格のための対策

試験は学科と実地に分かれます。登録講習機関ルートなら実地は修了審査で代えられますが、学科は誰もが指定試験機関で受けます。

試験の出題範囲と合格のための対策

学科試験の出題範囲と対策ポイント

学科は、航空法などの関係法令、無人航空機のシステム、気象、運航の安全管理といった範囲から出ます。法令と運用ルールの比重が高い、というのが受けた実感です。

対策は、過去の出題傾向に沿った問題集を反復するのが一番効きます。航空法の数字(飛行高度や距離の基準など)は丸暗記でいい。ここを曖昧にすると取りこぼします。

実技試験の採点基準と不合格になりやすい点

実地は、決められた機動を正確に、安全確認を声に出しながら行えるかが見られます。技術そのものより、手順の抜けと安全確認の漏れで減点される人が多い。

私が修了審査で意識したのは、上手く飛ばすより「決められた所作を省略しないこと」。慣れた人ほど確認動作を飛ばしがちで、そこが落とし穴です。

難易度・合格率の実データから見る対策

正直に書きます。一等・二等それぞれの公式な合格率を、出典で確認できる確かな数値として今回提示できる材料がありません。だから具体的な合格率の数字はここには書きません。

体感として言えるのは、登録講習機関で学科・実地を順に詰めれば、二等は決して無理な難易度ではないということ。難所は学科の法令暗記と、実地の手順の正確さです。

登録講習機関の選び方と失敗しないコツ

費用差が大きいぶん、機関選びで満足度がかなり変わります。私が取材と自分の受講で「ここを見ろ」と思ったポイントを共有します。

登録講習機関の選び方と失敗しないコツ

比較すべきポイント

登録講習機関を選ぶときの比較軸
比較軸見るところ
総額講習費に加え受験料・申請費まで含めた総額か
経験者コース民間資格保有者向けの短縮コースがあるか
限定の有無目視内・昼間・25kg未満限定で安く済ませられるか
実機の練習量屋外で実機を触れる時間が確保されているか
申請サポートDIPSや補助金申請の手伝いがあるか

特に見落とされるのが「総額」。表示が安いコースほど受験料や申請費が別計上で、後から積み上がることがあります。

コース選びでよくある失敗例

一番もったいない失敗は、目的が業務なのに限定なしのフルコースを選び、逆に趣味寄りなのに高い一等を選ぶこと。自分の飛ばす場面を先に決めずに申し込むと、こうなります。

もう一つは、安さだけで選んで実機練習が少なく、修了審査で手こずるパターン。私なら、多少高くても屋外実習の時間がしっかりある機関を選びます。

更新講習の頻度・費用・手続きの流れ

技能証明の有効期間は3年間です。更新には、身体適性に関する基準を満たすことの確認と、登録更新講習機関が実施する更新講習の修了が必要です。

つまり3年ごとに更新講習という手間と費用がかかります。業務で使い続けるなら問題ありませんが、取りっぱなしにする人にとっては地味な負担。ここも取得前に頭に入れておくべき点です。

資格取得後の仕事・収入・案件の獲得方法

【ドローン国家資格】二等資格取得の方法と流れ
【ドローン国家資格】二等資格取得の方法と流れ

取った後の現実も書きます。資格は名刺にはなりますが、それだけで仕事が降ってくるわけではありません。

農業・測量・撮影・狩猟など分野別の業務例

主な活用分野は、農業(農薬・肥料散布)、測量(地形データ取得)、空撮・点検(建物や設備の撮影)、鳥獣対策などです。私がいた建設・測量分野では、測量と点検の需要が伸びています。

分野ごとに求められる機体も操作も違います。資格はあくまで土台で、その上に分野別の実務スキルを乗せて初めて案件になります。

想定される収入と案件の取り方

収入額は案件単価・稼働量・地域で大きく変わるため、確かな出典のある相場をここで断定しません。憶測の数字は出しません。

案件の取り方で現実的なのは、既存の建設・農業・不動産の事業者にドローン業務を付け足す形か、撮影・測量会社の外注に入る形。完全に未経験から個人で受注するのは、正直ハードルが高いです。

国家資格取得のメリット・デメリットと費用対効果

メリットは、許可・承認の手続きが簡略化され、信頼の裏づけになること。一等ならレベル4という他で代えがきかない領域に入れます。

デメリットは費用と更新の手間です。業務で使わないなら、この投資は回収しにくい。私の立場をはっきり言うと、業務で飛ばす人は二等を取る価値あり、街の上を飛ばす特殊な仕事をする人だけ一等を検討、趣味だけなら無理に取らなくていい、です。

無人航空機操縦士に関するよくある質問

よくある質問

無人航空機操縦士とは?
正式には「無人航空機操縦者技能証明」という国家資格で、ドローンを飛ばすのに必要な知識と能力を国が証明する制度です。2022年12月5日に施行され、一等と二等の2区分があります。
無人航空機操縦士の費用は?
費用は講習費・受験料・登録費に分かれ、講習費は機関ごとに異なります。公開例では二等の基本コースで363,000円(税込)〜、限定付き・実地免除で311,300円(税込)〜、経験者向けの短縮例で118,800円(税込)〜や71,500円(税込)〜といった表示があります。民間資格保有者は経験者コースで安く抑えられます。
無人航空機操縦士の始め方は?
多くの人は登録講習機関に申し込み、学科と実地の講習・修了審査を経て、指定試験機関の学科試験と身体検査を受け、技能証明を申請します。登録講習機関を修了すると実地試験が免除されます。学科だけ独学で受け、実地を機関で補う進め方も可能です。
二等でレベル4飛行はできますか?
できません。レベル4飛行(有人地帯上空の補助者なし目視外飛行)に関係するのは一等です。二等はカテゴリーII飛行に対応する区分で、レベル4は対象外と説明されています。
資格がなくてもドローンは飛ばせますか?
規制のかからない条件(人口集中地区外・日中・目視内など)で飛ばす場合は技能証明は必須ではありません。資格が効いてくるのは、許可・承認が絡む業務利用の場面です。

最後に一言。迷っているなら、まずは自分が「どこで・何のために」飛ばすかを紙に書き出してください。それが決まれば、一等か二等か、限定ありかなしか、独学かどうかは自然と絞れます。私はそこを曖昧にしたまま申し込む人を止めたい。

無人航空機操縦士に関するよくある質問
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田中 誠一

元建設会社勤務(現場施工管理10年)、現在ドローン専門メディア編集者 ・ 国土交通省登録講習機関修了・二等無人航空機操縦士資格保有
建設現場経験10年・ドローン資格取材歴3年

建設・測量業界でのドローン活用を現場目線で取材・発信するライター。資格取得から行政申請まで、自ら手続きを経験した一次情報をもとに書いています。

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